ウォー・フォー・タレント ― 人材育成競争 (ハーバード・ビジネス・セレクション)



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ウォー・フォー・タレント ― 人材育成競争 (ハーバード・ビジネス・セレクション)
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1997年に「ウォー・フォー・タレント(人材育成競争)」という言葉を掲げて、いち早くマネジメント人材育成の調査を進めてきたマッキンゼーが、その成果を本書にまとめている。人的資本の価値の高まりやリーダーの人材難が叫ばれるなかで、人事システムの見直しや強化で対応を図ろうと考えている経営者は多いだろう。しかし、その認識だけでは不十分であることを本書は痛感させてくれる。

アメリカを拠点にする大手企業中心の調査からは、高い業績を上げている企業は、マネジメント人材の育成に対するトップのコミットメントが際立っていることが明らかにされている。GEのジャック・ウェルチはマネジメント人材評価プロセスに年間30日を費やし、それを経営システムの根幹に位置づけている、との事例も挙げられている。人材育成を、人事部門だけでなくトップと組織全体の戦略として認識し実行できるかが今後の企業成長を決する、というのが本書に一貫して流れているメッセージである。

具体的な方策については、「トップなどの意識や行動」「人材の引きつけ」「リクルーティング」「組織的アプローチ」「能力評価プロセスの確立」「実践への指南」の6テーマが、成功企業の豊富な事例とともに論じられている。従業員の訴求価値(EVP)の構築による人材引きつけ、トレーニングよりコーチング、フィードバック、メンタリングを重視するアプローチなど、いずれも人材育成への意識転換が図れる内容になっている。

アメリカの事例ながら違和感なく読めるのは、日本でもすでに人材に関する「競争」が進んでいることを物語っているのだろう。経営者は必読の1冊である。(棚上 勉)



最高の人物のみが最高の人材を確保する

最高の人材を継続的に確保することが、好業績を継続することに直結する。
だから人材獲得と確保の戦略策定または再構築が必要なのである。

本書をまとめると上記2文になるのではないか。

本文全体としては教科書的に網羅的に人材戦略を記しつつ、事例を
鏤めているというオーソドックスなスタンスでまとめてあるが、
興味を持った第3章と第4章を基に紹介してみたい。

第3章 「人材をひきつける魅力の創出」においては、従業員のための訴求価値
(Employee Value Proposition:EVP)を軸に、いかにして従業員が喜んで、
高付加価値業務に継続的に取り組ませるかについて記されている。

インターネット広告のトップランナーである(あった?)ダブル・クリックでは、
他のベンチャー企業のような社内のカフェや無料のサルサのレッスンという
ものではなく、「インターネット広告の新時代を開くというエキサイトメント」が
EVPとなり、優秀な人材を確保したのである。

ダブル・クリックのEVPは、アメリカでのITバブル崩壊時に、トップ100の優秀な
人材が離職しようとはしなかったという驚くべき結果をもたらしたのである。

またEVPを意義あるものにするためには、マーケティング思考を適用しつつ、
ビジネスと業務自体を刺激的であり、魅力的なものに変えていかなければならない。

第4章 「リクルーティング戦略の再構築」においては、各部署独自の
リクルーティング戦略をを文書化し(再構築1年目)、リクルーティング戦略の成功事例
と応募者について、1つの部署だけでなく、部門や人材のタイプを超えて共有
する(2年目)ことで、リクルーティング戦略の再構築のステップを紹介している。

そして、リクルーティング活動は最高の人材(マネジャー等)を投入し、厳正な
審査と会社からの求愛活動を優秀な応募者に対して、行わなければならない。

企業が応募者を選ぶのではなく、応募者が企業を選ぶのである。

また優秀な人材をリクルーティングの最前線に出す別の理由としては、
「採用活動をする人物が、採用する人材の基準を決定する」
ためである。

簡単にエッセンスをまとめてみたが、この本でMckinseyはいくら稼ぎ出したので
あろうか。あな、おそろしや。

エッセンス

内容的には人材マネジメントの進んでいる欧米企業の人事責任者なら誰でも分かっているような表面的な内容である。現にこの書籍のアメリカでの評価はかなり厳しい。組織人事を専門としているわけでもない戦略的コンサルティングファームの調査だからやむをえないと思われる。それにしてもコメントの割りに評価が高いのは意外である。日本人はやはりブランド(マッキンゼー)に弱い為かとも思う。「隠れた人材価値(チャールズ・オライリー著)」の方がはるかに洞察に富む内容であり、比較にならない。
会社にとっての成功と個人にとっての成功のバランスがとれるのはどこでしょう

 タイトルを読んで誤解をしていました。マッキンゼーが、どのように人材獲得・育成をしているのかという話が中心の本だと思っていましたが、社会一般でおきている現象をマッキンゼーが調査・分析したものだったのですね。

 本書では、企業の業績を上げ競争に打ち勝っていくために、いかに有能な人材を獲得し育成していくのが大切かということが主張されています。ただ、それは従来の企業の形体が維持される前提での結論のように感じます。

 一方で、個人の立場から考えることも必要です。ドラッカーが「ネクストソサイエティ」で唱えているようなトレンド=極端にいえば、従来の固定的な雇用は減少し、知識労働者である個人がパートタイムで仕事を選択する社会=もすでに現実として生じています。もし、企業が、固定的な雇用の範囲でしかメニューをだせなければ、それ自体魅力が減じることになるのでしょうか。

 社会のトレンドと個々の企業のとるべき戦略が絡み合うなかで、何をもって成功と呼ぶのでしょうか。特定に企業の業績でしょうか。あるいは個人の経済的・心理的満足でしょうか。また、「有能な知識労働者」の定義にはいらない労働者は、前者のマネジメントやリーダーシップに運命を委ねるのでしょうか。いろいろな疑問に自分で答えを見つけるには、もっと勉強をしなければなりませんね。
興味深いですね。

この本の前提には「優秀な社員」をいかに採用、育成、リテンションするかという命題があるように思えます。スコープは「優秀な」社員なのです。いかにもマッキンゼー式のエリート志向(選民志向というと言い過ぎか?)が伺えるのがちょっとひっかかりました(たんなるやっかみかもしれませんが・・・)。80対20の法則(ビジネスに転じれば会社の業績の8割は2割のハイパフォーマーがたたき出している)と言えば確かにそうですが、現在の日本企業は残りの8割の社員をいかにモチベートしポテンシャルを引き出すかを考えることが肝心だと思います。そういう意味で「隠れた人材価値(チャールズ・オライリー著)」と読み比べてみると非常に興味深いと思います。
マネジメント人材の育成とリテンション(引き留め)

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